2008年09月29日

「デジャヴュの前に」

 休日昼下がりの温泉は、それでもなお混雑していた。

 その中に見える家族連れ。

 ふと、子どもの中に知った顔を見る。

 その子を知っているのではない。

 ただ、その顔つきがわたしに連なるものとかなり親しかったのだ。

 突然、自分がその子の親であるような気がした。

 しかし、その子の親はすぐそばにいた。

 とすると、この子はわたしの孫だろうか?

 だが、向こうにいる子、親もいなくて周りの子ども(きょうだいと遊んでいる)をじっと眺める、あんな子こそわたしの血を引いてはいないだろうか。



 またいつか、自分の子や孫と温泉につかりながら、朦朧とこの光景を見るのだろう。


 デジャヴュの前に、湯気の中、遠い未来を視た。


posted by くらぽー at 12:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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