2009年03月16日

鳥啼き魚の目は

 最近、日本を、東京を離れることについて、心残りがどうしても拭えない。授業が終わる度に泣きだしてしまいそうになる。何人かの生徒に、ちょっと深くコミットしすぎてしまったようだ…。

 まず、関わり方が普通に仕事してたんじゃできないようなことばかり。くらぽーは、雇う側にとっては決して理想の教師ではない。カリキュラムは結構無視するし、本来では約束できないことまでしているからだ。どっちかというと、保健室の先生みたいな感じの事をしていて、その合間に勉強させている、と言った方がいいのかもしれない。


 3人の生徒。新小2の子と、新高1の子と、新高3の子。

 小2の子は。一人っ子でB型でちょーワガママ。オイラを不登校に追い込んだ?一番苦手なタイプだったので、本当に手を焼いている。しかし、年齢が離れているしこちらが先生なので、甘えられるし憎めないなと思う。昔はじっとしていられなくて本当に授業を進めるのが大変だったが、最近少し成長してきた。お母様も優しい(彼女には鬼ママらしいが)方で、よくお話してくださる。プライドが高くて間違う事を怖がる(あとで怒られるから?)子なので、思っていることを吐き出させようと思って(あと授業中のおしゃべりを減らそうと思って、でもこちらは失敗)、交換日記を始めた。それは夏には完成させられるはずだった。

 高1の子は。3年前まで海外に居た、帰国子女。なので英語より国語が苦手(向こうでも受験のため日本語の塾に通っていたらしいが)でもとても真面目な子で、一生懸命さが伝わってくるし教え甲斐がある。ただし部活のスケジュールと家が遠いため月2回だし結構時間が変わる。
 イギリスでは夕方一人で外出させたことはないので夜は送ってくださいというお願いがあり、本来はそんなもの塾で受けてはいないのだが、オイラが一講師で次の授業を入れてないので勝手に一緒に帰っている。日本では異常かもしれないけども、ヨーロッパでは親が送り迎えするのが当たり前。フランスで以前この光景を目にしていたため、くらぽーはお母さんのこの要求に違和感を感じなかった。
 また、くらぽー自身が結構送り迎えされていたので、母の考え方も至極道理的であったのだなと思った(まー昔は美少女?でしたから)彼女とは授業の時は余計な話をしないので、帰り道にする雑談が楽しいらしく、一緒に帰れることが嬉しいと書いてくれた。

 高3の子は。高校のクラスに馴染めず、高2の時に中学受験した学校から別の学校に編入した経緯があって、お母様もとても心配している。なので本人にメアド教えたらお母様からいろいろ相談のメールが来る(苦笑)学校が遠いし、そちらは進学校ではないので進路指導などがあてにならないのだろうか。
 本人には筋肉少女帯のCDを貸してあげ喜ばれたり、服の話を聞いたり、とても心を開いてくれるようになった。1年前からずっと見ているので一番古い生徒。最近かわいくなってきたなーと思っていたら、やっぱり彼氏ができていた。
 進学志望先はもうしっかり決まっているので、そちらに向かってがーっと行ってほしいが、うちの塾は単科なので国語以外のフォローはあまりできず、自分の高校の時の教材とかを貸してあげたりしている。でも一応、別の大手か中堅に入るようにしてもらうように道を作っている。本当は、受験が終わるまで責任持って見てあげたかった。

 先輩は、「子どもたちは、案外(別れも、新しい先生も)あっさり受け入れてくれるよ」と言うが、自分自身もう中途半端に仕事を切り上げるのはこれで3度目なことに、嫌気も差しているのだ。それが、全て自分の意志によるものではないから、尚更。

 最初は京都時代。次は、井戸で出会った子どもたち(Aちゃんももう高校生だ)。そして、東京。はっきり言って、東京の子にここまで懐かれるとは思っていなかったし、…嬉しい誤算なのかなんというか。あんだけ苦労して、やっと講師専任になれた矢先のことだというのもあるかもしれない。ここだけの話、今年年賀状を一番もらった講師だし。
 振り返って、自分が好きだった先生との別れもあった。中学時代の英語の先生は手紙にKeep in Touch(連絡してね)と書いてあったのにどうして返事を出さなかったのか後悔したし、今も理想の先生像として尊敬する小学校の塾の国語の先生の連絡先がわからない(同じ立場となって相談にのっていただきたかった)のも気がかりだし、こういうのがあるから残された子どもたちについて、一概に平気だろうとは言えないのではと思ってしまう。「みんなのうた」にもあったよね、「先生ほんま」って言う歌。子どもたちは想像以上にたくましいけど、想像以上にセンシティブだ。
 それに、上記のような方法でやっていた授業運営を、一体誰が引き継いでくれるというのだろう?

 以上をまとめて、東京での出会いはありがたかった。意外にも友達が多かったということに気づかされた。やがてはここで根を下ろすのも悪くはないかと思い始めていた。
 生徒たちに書いてもらったサイン帳。卒業式によく回されるあれだが、くらぽーは生徒情報管理ファイルだと思っていた。その子のことをよく知って仲良くなるために用意したものだ。決して、別れるために書いてもらったわけじゃない。生徒だってそうだ。
 さよならだけが人生なのかもしれないし、くらぽーが一つ処には長く居られない性質・宿命なのかもしれない。だけど、腹を括るにはもう少し時間が必要なのだ。


「くらぽー先生へ
 日本に帰って来て、もう3年にもなるのに、まだ全然国語が伸びてないと思うと不安です。特に読解ができないのが、とても心配です。毎日、漢字は必ず30分はやる、本は絶対に毎日読むということを続けられるように努力していきたいです。
 これから、たくさん質問をすると思いますが、よろしくお願いします!!絶体に伸したいです!!
 また、先生と一緒に帰れる事が嬉しいです。これからも本当によろしくお願いします!」(原文ママ)


posted by くらぽー at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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